夢を楽しむ月花庵

夢分析ってなに?

夢分析とは、「夢」を「分析」する事です(あたりまえ)
イメージ的には、「夢」の内容を細かく検証し、
徹底的に自己の精神を探求・研究するような感じです。
暗号解読と、それを通した自分のこころとの対話、というイメージです。

こう書くと堅苦しくて大変なのかなと感じますが、
まぁ実際大変なんです。
夢に出てきたすべてのものを、
全部自分でいちから検証するので、
とっても時間がかかります。
ただ、堅苦しい感じで取り組むと上手くいかないので、
ちょうどいい感じに、リラックスして、
じっくり取り組もう、というものになります。

ちゃんと取り組むのだから、
立派な結果を出さなきゃいけないとも考えそうですが、大丈夫です。
はっきりした結果を出さなくても、
「夢分析を行う事」に意味があります。
ゆったりと、自分のこころと対話し、
こころの世界を探求できるのが、この夢分析です。

夢分析の発祥

「夢分析」という名目で分野を確立をしたのは、
「ジークムント・フロイト」という心理学者です。
名前は聞いたことがある、という方は多いと思われます。
心理学の世界では、とっても有名人です。

夢の理論的な研究自体は、
フロイトが扱う前からもあったようですが、
フロイトは、「無意識」という概念を打ち出して、
ここからもっともな夢分析の理論を打ち立てました。
自由連想法という基本的な分析方法を確立したのも、
フロイトが始まりです。

しかし、フロイトの夢分析の仕方は、
あまりにも極端で理解されがたいものでした。
夢の内容をすべて、性的な問題を中心にして
関連付ける事をしていたので、自由度がなかったのです。

そこでフロイトの弟子であったユングが、
夢にはもっと自由で素晴らしい力があると、
更に自由度の高い理論を打ち立てました。
今現在、多くの夢占い、夢判断の導入で
取り扱われている夢判断方法は、
このユングの夢分析がベースである事が多いと思われます。
いくつか問題点はあるものの、
実際とても汎用性が高く、
初めて夢分析に取り組む際にはとても分かりやすく、おもしろいです。

現代に「夢分析」として夢の力を復活させたフロイトとユング。
とても偉大だなぁと思います。
そして、現代に受け入れられやすい形で、
夢に再び力を与えて下さって、感謝の気持ちでいっぱいです。

古代にも「夢分析」はあった

そもそも夢の歴史を辿ると、古代にまでさかのぼります。
実は、その古代人の夢の扱い方そのものが「夢分析」でした。

日本なら、夢解きが得意なお坊さんや陰陽師、
夢占いが専門の夢占い師もおりましたので、
人に任せて判断を行う今のような夢占いもあったのですが、
実は自分で考えて夢判断を下す貴族も、それなりにおりました。
自分の夢に夢分析をしている
「明恵」というお坊さんも居たそうで、書物が残っております。
みんなとても、やっていることが、「夢分析」でした。

なぜ夢を見たのか、
この夢を見た関連する出来事、
悩みは何か、など、
自分で徹底的に行っていたのが、すごいです。

世界に目を向けると、2世紀頃の古代で作られた
「アルテミドロスの夢判断」という本が残されています。
これは現存では世界最古の夢判断の書物ですが、内容がまた驚きなのです。
実はこの本、書いている基本の内容は、「夢分析」なのです。
自分で考えてね!神の声とかそんな無いからね!!!って事を書いているのです。
古代人だと神秘的なものを信じていそうですが、そうではなかったのです。

夢のことを想うだけでもいい

ちゃんと腰を据えて分析をしようとすると大変なので、
やっぱり敷居は少し高いのかな、と感じます。
しかし、やっぱり夢はみんな見ているもので、お手軽なもの。
もっとカジュアルに夢分析を楽しんでほしいなとも思います。

私は、昼間に自分の見た夢のことを考えるだけでも、
それが既に簡易的な夢分析になっていると思っています。
なぜあんな夢を見たのだろう、あの夢の意味は何なんだろう。
もしかしてあの事かな?とか・・・こんな感じで、
現実と照らし合わせて考えるだけでも、自分のこころとの対話になります。

夢分析は、「答えを出す事」を重視しません。
自己のこころの整理の部分が大きいので、
結果がはっきりしなくても、こころが落ち着けばそれで良いと思います。
ぼんやり考え、日常生活の中でその時の夢を忘れても、かまわないと思います。
また夢を見たら、夢のことを考える。
そういったサイクルでも、ゆるく夢と付き合えていいものです。

まずはそうやって夢への関心を高めて、夢分析への敷居を下げてみませんか?

最新更新:2021.8.6/執筆:夕飛