夢を楽しむ月花庵

「刀」の夢の意味

刀の夢の意味は、おおざっぱに言うと下記の通り。

・何かを断ち切る。断ち切りたい気持ち。

・障害を排除する、または排除したい気持ち

・何かを守る、守りたい気持ち

・大切な事、慎重なこと、財産や利益

あとは、刀を使って夢で何をしたかによって、
意味がいろいろ変化すると思われますが、
だいたいこんな感じかと思います。
しかし、「刀」という夢を見た時に、
現代と昔ではずいぶん印象が違うだろうと感じます。

この記事は「刀」という時代と共に扱いが変わってきたものを、
夢を通して、あれこれ想い馳せている記事になります。

日常にあった刀と、
日常から離れていく刀

昔の夢占いの本を読んでいると、
昭和20年代までは、
今のところ自分が読んだほとんどの書籍に
「刀」という項目があるのです。
そして、時代が進む度に、辞書に載る頻度が減っていき、
今ではあまりすすんで掲載されていない印象があります。

筆者はあまり歴史や刀自体にも詳しくないのですが、
気になって調べてみると、
どうやら戦後の昭和21年から所持が禁止とされ、
所持する場合は昭和26年から開始された登録証の発行が必要だそうです。
(勉強になった・・・!)

まぁそういうことで、
昭和20年代までの夢の本に「刀」というシンボルの意味が
必ず載っているのは、何だか納得です。

昭和26年からの登録証の発行が落ち着くまで、
刀のことでわたわたとしていたのですから、
昭和20年代後半は「刀」を日常的に意識できる
最後のタイミング
だったのかなぁ。

法律の施行は戦後からわりとすぐであり、
それまではわりと刀は身近にあったものなんじゃないかなぁと思ったわけです。
刀ってほんとあるところにはありますから・・・
未だに古いおうちの蔵からわんさか出てくることなんて、
珍しい事じゃないらしいですし。

それで、現代の夢占いの本に載っている「刀」の意味って、
ほとんど「ナイフ」などの意味と
そう変わらない感じになってしまっています。
でも断ち切るとか身を守るとか、
それは他の刃物とできることは同じなので納得なのです。

気になるのは、
自分が読んだ明治末期~昭和20年代までの古い夢占いの本では、
「刀」だけで意味のバリエーションがかなり豊富だということ。
もちろん他の刃物も載っていたりするのですが、
「刀は特別で、現代よりも比較的身近なもの」と感じました。

刀で殺す・殺される夢。
刀で切る夢。 刀が折れる、刀を磨く、
頂く、水に落とす、身に着けて遠出するなど、
こんな感じで、刀だけでたくさん書かれているのです。
「お守り刀」「脇差」の項目を分けて載せてるものもありました。
万人向けの意味を掲載する現代の夢占いの本で、
こんなの分けてもあまり意味が無く、
「刀」と一括りで良い、としてしまうでしょう。

刀とはどういうものか

刃物ってのはいろいろありますが、
「刀」単体として見ると、
やっぱりただの刃物として扱うには意味が違ってくるなと感じます。

刀という道具としての目的は「武器」です。
昔から、戦う為の性能に特化されたもので、
切れ味が良すぎる危ないものであり、
扱いや認識も慎重で重いものになります。
包丁は調理がメインだし、鉈や斧だって、
基本は日常生活の中での性能を備えています。

武器である「刀」ですが、
中には家宝だったり願いを込めたお守りだったり、
誇りや歴史、権力の象徴や身だしなみの一部だったり。
これらは「ナイフ」や「はさみ」などの
他の刃物にはなかなかない意味でしょう。
刃物の中でも、日本人にとっては
その意味の「重み」が恐らく違ったのだろうと感じました。

しかし残念なことに、
現代ではその「重み」を、夢に見るほど
感じる事がおそらく難しい。
本当に武器として使われていて、刀を持たない一般人でも、
誰かが持ち歩いている様子を見る事が
あったかもしれない時代
と今では、絶対に違ってきます。
刀が日常のどこかに少しでもあった風景に住んでいた、
過去の人の「刀の夢」は、どんな雰囲気だったんだろうなぁ。

現代の刀と、私の願い

昔と今で違うのは仕方ないですし、
現代は現代で、刀は大事に扱われています。

なので、きっと日本人が「刀の夢」を見た時、
夢の中でそれを刃物ではなく、
「刀」として印象に残ったなら
刀とは何なのかと自分で考えてみるといいかもしれません。

なんだかんだ、博物館などの展示で大事に扱われており、
所持には登録証の発行などの手続きが必要だったりと、
他の刃物とは扱いが別物なので、特別感は強いです。
ドラマ、漫画やアニメ、ゲームだと
武器として使われてる事がたくさんありますし、
そこの記憶にも関係してくるでしょうし、
まぁ、日本人にとってはやっぱり刀は「すごいもの」な気がします。

「お守り刀」として贈り物や飾りとして
所持できるのも素敵な文化だなと思います。
現代は刃物としては全く使わないのに、
そこにあるだけで凄みのある道具。

ほんとに刀ってのは扱いが慎重で重いです。
使ってる場合でも、
本来の目的である戦う為の武器としての利用は、
現代ではもう絶対にありませんし、
こういう平和な用途で使い続けられる生活が、続くといいなぁ。

最新更新:2022.9.10
投稿日:2021.8.6/執筆:夕飛