夢の心理学
心の宇宙を探検する 感想
著者:鑪 幹八郎 / 発行所:山海堂
発行日:平成2年2月15日 / ページ数:180
とても読みやすく、夢と睡眠を学べる
こちらの本は読んでいてとても楽しいものでした。
詳しい専門書というよりは、雑談混じりで書かれたエッセイ風の本でした。
それがとても読みやすかったのか、
私はけっこうスラスラ楽しく読む事ができました。
絵や写真、図解もよく載っていて、
理解やイメージがしやすかったのもよかったです。
本の基本的な内容としては、
「夢の歴史」「睡眠の仕組み」「年齢による夢の変容」「夢の解釈法」
・・・と分かれています。
夢に関して、大まかにいろんな事がすっきり学べる良い本でした。
他の難しい本を読む前の、敷居を下げる為に読むのにも向いている気がします。
種族や年代別の夢の話がおもしろい
私がまずこの本で面白いと思ったのが、
「人間ではない他の生き物の話」があったことでした。
人間以外の生き物、犬や鳥、
トカゲなど、夢は見ているのでしょうか。
その生き物のことを体験できないので断言はできないのですが、
夢を見ている可能性の高いレム睡眠は、
どの動物にも少なからずあるようです。
鳥類は特にレム睡眠が少ないようですが、
夢の世界って時間とか関係なく少し寝ただけでも
長い夢を見る事ってあるので、ほんとに見てるかもしれませんね。
すんごいロマンのある研究です・・・
人間のライフサイクルで見る夢が変わる話も面白かったです。
幼少期、青年期、成人期、老年期などで、
見る夢の特徴や感じ方が書かれており、大変整理しやすかったです。
これを読んで、自分が昔見た夢のことを考えるのも、面白くなりました。
うん、怖い夢見てひとりぼっちになったり夜になったりするの怖がってた子供の頃、あったよ。
現実と混同してたんだなぁ。
今じゃ怖い夢見ても夢は夢だって割り切って、現実では怖がらないからねぇ。
大人になったんだなぁ~
夢のパターン解釈のアドバイス
逃げる夢、死ぬ夢、道を歩く夢、得る夢など、
パターン別で考え方の解説が載っていました。
ここの項目があるおかげで、
夢占いの方に本の分類を分けるか迷ったのですが、
夢占いほど断言しているような内容ではなく、
どちらかというと夢分析的な内容でしたのでこちらに分類しました。
非常に理論的な形で解説をしてますので、夢分析的な考え方の参考になります。
解説内容が、夢占いの辞書のように、こういう意味である、という言い方ではないのです。
夢の状況を現実の状況に当てはめ、
それはいったいどういう現象か、どういうものなのか、を考え、
夢の中でその前後何をしたかに注目しよう、というのを、
どの項目でも繰り返し語っています。
これはほんとにそのまま夢分析のやり方に当てはまるので、
読むだけで考え方がよく学べるようになっていると思います。
感想まとめ
まとめ:おもしろ楽しく学べる夢雑学の本
難しそうな内容でも、
とにかく図解やイラストが多く掲載されていて、
イメージのしやすさや分かりやすさがとても良いと感じました。
エッセイ風で、こちらに語りかけてくれているような内容も、とてもよかったです。
睡眠の仕組みから、知らなくても問題なさそうな他の動物の睡眠事情の雑学、
豊富な夢の事例や、ちゃんとした夢判断のアドバイスなど、今でも十分に通用するので、
夢関連の知識を楽しくいろいろ学びたい方にはオススメしたい本ですね。